お酒とお米の話
ナナ「ただいま〜」
シャンマオ「お帰りなさい。」
ナナ「お、晩酌中かい?
何を飲んでるんだ?」
シャンマオ「さきほどコンビニ行ったら売ってあった日本酒ですわ。
ナナ「あ〜、そりゃ広告に騙されたな。
」
シャンマオ「どういうことですの?
このお酒はコシヒカリを使ってないと?」
ナナ「いやいや、そういうことじゃないよ。
ん〜どう説明したらいいやら。
そもそも、コシヒカリってのは酒造りの米じゃないんだよ。」
シャンマオ「どういうことですの?」
ナナ「コシヒカリってのは食べて美味しく感じるように手間暇かけて作ってるのさ。」
シャンマオ「美味しく食べれるお米だから美味しいお酒になるんじゃないのですか?」
シャンマオ「もちろん存じてますわ」
シャンマオ「え?
ナナ「正解は一長一短。
この2つの米は味が両極端なんだ。」
シャンマオ「コシヒカリってのは味が濃くて粘り気もあってそれだけで主役になれる米なんだ。
だから、ハンバーグのように味にインパクトがあって単体で完成しているおかずとは非常に相性がいいんだよ。
逆に和食のような素材を活かす味付けの場合、その強すぎる味は他の味を消してしまうだよ。」
シャンマオ「では、逆にササニシキは・・・」
ナナ「そう、さっぱりとした味わいのササニシキは味の濃い洋食には負けて特色が無くなってしまう。
逆に素材を活かした和食はその薄味を更に引き立ててくれる役割を果たしてくれるのさ。」
シャンマオ「なるほど。
しかし、それとお酒と何の関係が?」
ナナ「分からないかい?
食べる米を2つ挙げただけでも、これ程に用途が変わってくるんだ。
日本人がお酒用の米を作ってないわけが無いだろ?」
シャンマオ「ああ!!」
ナナ「そう、お酒を作るにはお酒に適した米がある。
ただ、それは食用には向かないので有名では無いんだよ。
そんな、美味しいお酒を作る為に・・・それ専門で作られた米より、
食べて美味しくなる目的で作られたコシヒカリで作ったお酒の方が美味しいと思うかい?」
シャンマオ「そう言われますと・・・全く思いませんわね。」
ナナ「シャンマオのような人間を食い付かせる為に作ったんだろうけど勿体無いことだよ。
同じように使うなら私はコシヒカリを食べたいね。」
シャンマオ「仰る通りですね。
勉強になりましたわ。」
ナナ「いや〜わたし、そういう方面は得意だから任せといてよ!」
シャンマオ「お料理上手ですもんね。
・・・そうですわ!
ナナのお料理教室などいかがでしょう?
」
ナナ「え?何が?」
シャンマオ「次回からの企画ですわ。
早速主人に持ち込まなければ。」
ナナ「また私の意思がない!?」